いのちのことば社
正義は平等なのか? 敵対する者との和解はありうるのか? 人々を抑圧から解放する「救い」の物語である聖書の深みに迫る。非暴力・抵抗というイエスの生き方がつくり出す「良き知らせ=福音」とは何か。気鋭の聖書学者が解き明かす神の正義と平和。
著者・訳者など:南野浩則
ISBN:978-4-264-04471-0
南野浩則(みなみの・ひろのり)
1963年大阪で生まれ、育ちました。6歳のとき、カトリック教会で初めて福音を聞きました。その後プロテスタントの日本メノナイトブレザレン教団 石橋キリスト教会に通うようになり、17歳のときに同教会で洗礼を受けました。現在、同教会副牧師、同教団の福音聖書神学校教務を務めています。神学校ではおもに旧約聖書を教えています。メノナイト派は福音を「平和」の視点から理解してきました。聖書に記された平和を語り、その実現を追求している教派です。その立場から、著者は『旧約聖書の平和論 神は暴力・戦争を肯定するのか』(いのちのことば社)を執筆しています。関心のある方、学びを続けたい方は、こちらもお読みください。
目 次
はじめに
第一章 神の正義と平和〜聖書の神とは?
神はいるのか? 答えはない/神の正義は「平等」か?/分配を重視している/平和を「つくる」/弱者の尊厳なくして平和はない/意見が違っても調和する秘訣は?/和解とは? 赦しとは?/正義と平和を実現しようとする聖書の神
第二章 福音のモデル〜エジプト脱出と契約の物語
聖書は物語として語られる/旧約聖書の主人公たち/人々の苦しみの叫びを聞いて/抑圧から解放する「救い」の物語/神が民と契約を結ぶ「救い」とは?/旧約聖書の「律法」は厳格な戒律か?/聖書全体が語る「良き知らせ」のモデル
第三章 神の国の福音〜イエスの生・死・復活
旧約聖書から新約聖書へ/イエスとは誰か?/イエスが伝えたのは「神の国の福音」/悔い改め=メタノイアの意味/福音を信じるとは?/非暴力・抵抗というイエスの生き方/イエスは十字架で殺された/イエスの復活というメッセージ/イエスからの良い知らせ
第四章 罪とその赦し〜和解としての良い知らせ
聖書が述べる罪の課題/創世記に見る罪の課題/「裁き」は神による評価/敵対者を救う「赦しと和解」/和解と赦しへのメタノイア/赦しは「なかったことにする」ことではない/贖罪の教えについて/赦しがもたらす新しい関係の構築
第五章 神を中心とする集まり〜教会の意味
互いに関わる共同体としての教会/新約聖書が語る共同体の意味/教会の中の関係性について/教会はもめごとがない空間ではない/教会には神が期待する使命がある/教会での儀式の意味/教会の意味
あとがき
ヨキシラセヲアナタニ