いのちのことば社・フォレストブックス
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突然の病など、人間の力ではどうしようもない出来事に遭う時、どうすればよいだろうか。がん病理学者・樋野興夫氏が読んだ聖書ヨブ記。がん哲学外来で多くの患者と向き合ってきた著者による現代人の重荷に寄り添うエッセイ。
樋野興夫(ひの・おきお)
医学博士。順天堂大学医学部(病理・腫瘍学)・国際教養学部教授(併任)。
一般社団法人 がん哲学外来理事長。恵泉女学園理事長。東京女子大学理事。新渡戸記念中野総合病院 新渡戸稲造記念センター長。
1954年島根県生まれ。癌研究会癌研究所、米国アインシュタイン医科大学肝臓研究センター、米国フォックスチェイスがんセンターなどを経て現職。2002年癌研究会 学術賞、2003年高松宮妃癌研究基金 学術賞、2004年新渡戸・南原賞、2018年 朝日がん大賞、長與又郎賞。
『がん哲学外来入門』(毎日新聞社)、『がん哲学外来へようこそ』(新潮社)、『「今日」という日の花を摘む』(実業之日本社)、『明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい』(幻冬舎)、『がんばりすぎない、悲しみすぎない。「がん患者の家族」のための言葉の処方箋』(講談社)、『こころにみことばの処方箋』『種を蒔く人になりなさい』(以上、いのちのことば社)など著書多数。
一般社団法人がん哲学外来ホームページ http://www.gantetsugaku.org/
目 次
まえがき 3
序 章 ヨブの苦しみは、私たちとつながっている 11
ヨブの苦難を通じて、私たちの人生を見つめ直す 14
聖書は世界最大のベストセラー、ヨブ記は世界最大の文学書 22
見舞いにやって来た三人の友人は、「無用の医師」だった 27
心が揺れ動くヨブの前に、ついに神が姿を見せる 33
第一章 突然の病や事故が、なぜ降りかかるのか 41
理想の人類愛は大切だが、身近な隣人愛にも目を向ける 44
自分の運命は選べないが、人生は選び取ることができる 55
あなたが責任を感じることは、何ひとつない 63
病気になっても病人にならない生き方に、希望が宿る 71
第二章 家族は天からの預かりもの 77
家族の姿はさまざまであり、正解はいくつもある 80
病気の家族を、さりげなく深く思いやる 90
苦しみや悲しみは解決しない。でも解消する道はきっとある 97
第三章 自分のためだけに生きるのはつらすぎる 109
病気が孤独の原因ではなく、もともと人は孤独な存在 112
不完全な存在だからこそ人とつながり、助け合っていく 118
人は、「つながる」「つなげる」のではなく、「つながっている」 123
偉大なるお節介の輪を、どんどん広げていかなくては! 129
第四章 生きているかぎり、何度でもやり直せる 141
苦しみは恵みへの道となるのか? 人は変わることができるのか? 144
一歩前に出る決断があれば、人生は変わる 150
変わるためには、捨てるものもある 157
第五章 「生きる力」は「死ぬ力」が支えている 165
死は誰に対しても平等だが、寿命は自由にならない 168
「老い心地」をよくするには、自分事より他人事に目を向ける 174
「いい覚悟」は、最期に最も美しく輝く 180
寿命という区切りが、生きることのエネルギーになる 187
終 章 最後のひと息まで、明日を見つめていたい 191
どのような不幸に見舞われても、それは天罰などではない 194
あとがき 203
著者・訳者など:樋野興夫 著
ページ数:208頁
判型:四六判
ISBN:978-4-264-04450-5
Why should I have to go through this?
(Naze Konnameni Awanakerebanaranainoka)
Okio Hino
What do you do when unexpected things happen? What should we do when we encounter events beyond our control, such as sudden illness? Cancer pathologist, Okio Hino, studied the book of Job and seeks to answer this question. An essay by the author, who has dealt with many patients at the Cancer Philosophy Outpatient Clinic, aims to help people today with their burdens and challenges. 46 size, 208 pp. ISBN978-4-264-04450-5 \1,600+