いのちのことば社
カイロスブックス シリーズ。自分たちの信仰を一切書き残さず、わずかな手紙と口伝のみでしか知る手立てのなかった「森派(耶蘇基督之新約教会)」。戦時下で唯一残された寺尾喜七の「尋問調書」から、歴史に隠された信仰者の"弾圧の記憶"と現代の日本に生きる教会の在り方を考える。
【「カイロスブックス」刊行のことば】
ギリシア語の「カイロス」は、「時」と訳される言葉です。それは、単なる「時間」を指しているのではなく、「決定的な時」、待ち望んでいた「その時」を意味します。特に、新約聖書における「カイロス」とは、「神が目的のうちに定められた時」を意味する重要な言葉として使われています。
「カイロスブックス」は、この日本で、今の「時」を生きるキリスト者として、教会、社会、生活、教育、福祉の現場で起こっている現実を、キリスト教的な世界観・歴史観の視点から問い続けるという目的のもとに刊行されたシリーズです。
環境問題、格差、分断、対立など、私たちを取り巻く状況は、ますます終末の様相を呈してきています。どこに突き進んでいくのか混迷を深めるこの時代にあって、真の光であるキリストを掲げる教会として現代の問題に光をあて、「教会のこと」「社会のこと」ではなく、自らの生活に、教会に、そして生き方までに深く関わってくることとして捉えたいと思っています。キリスト者と社会をつなぐものとして、さらに教会内で考える題材として、このシリーズが用いられることを、願ってやみません。
「カイロス」には、「応答すべき時」という意味もあります。今の「時」に生きる者として、沈黙ではなく、この「カイロス」に応答すべき者でありますようにとの祈りを込め、この「カイロスブックス」を刊行いたします。
著者・訳者など:川口葉子・山口陽一
ページ数:96頁
判型:四六判
ISBN:978-4-264-04145-0
Believers We Didn’t Know About
(Shiranakatta Shinkohshatachi)
Yoichi Yamaguchi, Yoko Kawaguchi
This book details the suppression of the Iesu Kirisuto Shinyaku Church and the police investigation of pastor Kihichi Teraoki during WW2. The Japanese police suppressed the church and investigated its pastor for its refusal to worship the emperor or bow at the Shinto shrine. Letters and testimony of people as they remember these events show how they heroically stood for the truth of the biblical faith in the face of opposition and persecution. This story helps us think about how the modern church should live in this age. Kairos Books imprint. “46” size, 96 pp.