日本宣教論 (88687)

イーグレープ
発売日:2011/01/25
日本宣教を考えるにあたり、普通は無視されている諸条件を並べ、論じたものです。
日本宣教の論議が深まる一書です。さらに、日本文化のただ中での教会の構築を考えます。

日本における福音宣教と教会建設が多大の問題を抱えていることは、福音伝道に従事する者が、日々痛感していることである。
 ある任意の日曜を取って見れば、その朝に日本全国で礼拝に集まっている人数は、プロテスタント、カトリック、またそれ以外の教派で「キリスト教」を標榜しているもののすべてを合わせても、14〜15万人を超えることはないのではないだろうか。これは日本の全人口の0.1%を僅かに上回る数にすぎない。
 確かに、それぞれの教派の会員数についての公式な報告を合算すれば、日本のクリスチャン人口として約百万という数字が出るだろう。そのうち10万がだいたい毎週の礼拝に出席しており、あとの20〜30万人が時々の出席者、残りはバプテスマは受けているが、いまほとんど出席していないというような人々だろうか。
 公式の統計としては会員数があるのみであって、平均出席者の統計というものはない。だから筆者の推定の14〜15万人という数字はもともと正確ではなく、あるいは30万人かも知れない。しかしそうであったとしても、礼拝出席者は日本の人口の0.2%ということになる。これはどちらでもよい、五十歩百歩である。
 いったいどうして、日本宣教はそのような状況のまま推移しているのだろうか。日本全体の伝道者、牧会者が苦労し、努力を重ね、説教にいわば身をすり減らしている。なぜこのような状況から脱出できないのだろうか。
 外国の教会で筆者が親しく観察したものと言えば、アメリカと韓国くらいだが、いずれもだいたい神学校で学んだことを忠実にやれば牧会が成立する。キリスト教界には牧師たるものが守って行くべき心得や条項のようなものがある。そうして若い牧師たちは着実にそれをこなして前進している。とくに優れた人材でなくても、それなりの伝道の果実を上げているのが見られるのである。
 もちろんそれらの外国の「方策」を日本に直輸入して役立てようとする動きもあり、戦後の50〜60年にわたってそれらが絶えず試みられて来た。しかし、そのいずれもが効果を上げ得ず、定着しなかった。または効果が上がったとしても、それも加えた上でのこのゼロ・コンマ・パーセントの成果なのである。
 なぜそうなのだろうか、日本は呪われているのだろうか、神は日本を祝福するのを忘れておられるのだろうか。
 いや、絶対にそうではないはずである。
 このような状況の中で、いままでに数多く日本伝道に対する分析や提言がなされて来た。
 筆者はいまそれにもう一つを加えようとしているのであるが、これが果たして日本の伝道に役立ち、ゼロ・コンマ・パーセントの壁を破る助けになるのだろうか。
 恐れをもって、同労の諸兄姉の机下に差し出したいのである。
 日本は神から見捨てられていない。必ず祝福されるのである。
 じつは筆者のひそかな思いは、日本発の伝道論と方策こそは世界が期待しているものだ、ということである。笑われるかも知れないが、世界のキリスト教会はまさに日本発の伝道論とその方策によってさらに祝福されると信じるものである。


目次(上下巻)※右端の数字は、本書の頁を記しました。

上巻 宣教の触媒としての文化
はじめに
<戦責問題におけるタブー> 19
*極東国際軍事裁判
<ヒュー・バイアス> 25
第一章・日本の周囲の状況 29
第二章・日本国内の状況 65
第三章・天皇制 130
第四章・国家神道イデオロギー 144
第五章・まとめ 戦責・天皇・神道 211
第六章・従来のキリスト教と聖書観 226

下巻 日本的キリスト教会の建設

第七章・日本でも通用するキリスト教 285
第八章・社会と共同体 315
第九章・二つの共同体からの脱出 337
第十章・日本の宗教 347
第十一章・アメリカ社会と共同体 361
第十二章・蓮如の宗教運動 377
第十三章・日本のキリスト教会の現状389
第十四章・提言、日本的教会 444
おわりに505
<ローマ・カトリック教会の宣教論について>505
<日本の将来>505
<小生のものの見方について>510
<あとがき>513

著者・訳者など:後藤牧人
ページ数:514

判型:A5
ISBN:978-4-90374846
ニホンセンキョウロン

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